裸足女の噂(後日談)

裸足女(後日談)


 翌日の朝。

 昨日は遅刻したから今日は絶対に眠りこけないぞと乗り込んだ電車に、秋心ちゃんの言う通り裸足女がいた。

 昨日と全く同じ服装でブツブツと不気味に笑っている。

 うわぁ……と苦笑いをしようとした瞬間、裸足女が俺に走り寄って来て言った。


「わたし真倉北まくらきた駅でおります!」


 心臓に悪い。吐くかと思った。朝一のテンション超高くないあなた?

 昨日の夕方はテンション低めだったのにさ、びっくりさせんといて。

 ……ちょっと待って、またそこで降りるの?

 やめてください。だって、俺もそこで降りたいんだから。

 そこで降りなかったら俺、遅刻しちゃうんだよ! 二日連続はやばいんだよ! ただでさえ昨日は廊下に立たされて秋心ちゃんに笑われちゃったのに!

 でも、二回目裸足女と同じ駅で降りたら今度は死ぬって秋心ちゃん言ってた。

 死ぬのと秋心ちゃんに笑われるのはどっちがいいだろう。

 とりあえず、ルールは守らねばなるまい。


「あ、どうぞ……」


 裸足女はニンマリ笑った。



おわり

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