第20話イレイの思い
イレイはエルから別れると格納庫でロードの傍で座っていた。
「どうしたんだいイレイちゃん? 調子でも悪いのか?」
ジュウゴはイレイに近寄り、隣に座った。
作業は順調に進んだおかげで格納庫の切羽詰まった空気はなくなり、いつも通りの作業風景に戻っていった。
「今日隊長と喧嘩しちゃって。すみませんすぐに仕事に戻るので」
イレイが立ち上がろうとするのをジュウゴは止めた。
「辛いのか?」
「……はい」
「そうか」
ジュウゴはそう言って立ち上がった。
落ち込んでいるイレイにジュウゴは目の前で思いっきり手を鳴らした。
驚いたイレイは目の前にいるジュウゴに視線を向ける。
「俺らが頑張らなければ隊長を始め、沢山の人が死ぬんだ。だから頑張ろうぜ。作業が終わったら俺もついて行ってやるから一緒に謝りに行こう」
ジュウゴの差し出された手をイレイは掴んで立ち上がった。
「そうですね。今は私たちの作業を進めましょう。ありがとうございますジュウゴさん」
イレイにお礼を言われ、ジュウゴは照れ臭いのか視線を逸らしながら「おうよ」と告げて持ち場に戻っていく。
イレイは気を取り直して作業しようとすると格納庫の入り口に見覚えのある黒い車が止まったのが見えた。
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