Ep.3
俺、死ぬのかな。
漠然とそんな事を考えながら、俺は、大量のパソコンと、棚の下敷きになっていた。突然地震が来て、机に隠れる暇もないまま、棚に潰され、ついでにパソコンにも潰された。
なんだこれは。俺はカエルか何かか。
「けほっ」
噎せると、信じられない事に、俺の口から血が出た。なんでだ。沖田総司でもあるまいに。どこか惚けた思考を、無理矢理抑え付ける。
多分、自分でも思っている以上に、重症なんだろう。
遠くから足音が聴こえる。俺にはもう、それが幻聴なのかなんなのかわからない。
「……悠」
上から降ってくる声は、酷く懐かしい。無理矢理首を動かして、見上げる。
もう、随分見ていない、幼馴染がそこにいた。傍らに小学生くらいの女の子を連れている。
「お、まえ、無事だった、のか」
声が掠れる。驚いているせいか、それとも。
「喋るな、悠。お前、それ以上喋ると死ぬぞ」
妙に淡々とした口調で、湊はそう言った。それから、湊は女の子の頭を撫でる。
「ごめんな、悠」
その言葉を最後に、俺の意識は途切れた。
「……か、……るか、……悠!」
不意に、揺さぶられて目が覚めた。左隣にいる人物……つまりは、結城湊が俺を揺さぶったらしい。
「んだよ、湊」
「そんな不機嫌な声出すなよ。委員長が睨んでるぞ」
教卓の方へ視線を走らせると、委員長……御崎が、微妙な顔をしてこちらを見ていた。
「……こほん。それで、今年の委員決めなんだが……」
御崎が髪を耳にかける。その仕草に酷く既視感を覚えたが、その正体は、ついぞ分からなかった。
《……To be continued?》
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