噂の十三説

治安の悪い町で安物のおもちゃが流行った。

そのおもちゃはカメラのシャッター音がなるだけの安価なものだが、

とても小さなものでどこにでも隠せるようなものだった。


靴に仕込み、つま先を強く踏み込むと音が鳴るようにする遊びが広まり、

音が出るだけのおもちゃが飛ぶように売れた。


すると、町の治安は改善され犯罪率が目に見えて減っていった。


そのおもちゃを売っている店は一箇所だけ。

遊びが広まった時、誰が最初に考えたのかはわからない。


いつの間にかおもちゃ屋は閉店しておりそれは手に入らなくなってしまった。


どこの会社が作ったかもわからず、調べても他の国でも見つからなかった。

しばらくするとその遊びも廃れ、治安は前のように悪くなってしまった。


余談だが遊びが流行り治安が良くなった時と同時に、

別の問題も起きてしまったが、

その問題は流行りが廃れるまで注意されることはなかった。




唯の噂。





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