上手に焼けました
久遠マリ
1
「やあ、久し振り」
朝、両親とともに開店作業。突如そこに幼馴染の笑顔が登場して、私は目を剥いた。
首飾りと一体になった胴衣の下着の上に、金糸でシルディアナ国花ロウゼルが刺繍されている仕立ての良い麻の薄い上着を肩掛けにして、膝までのズボンに竜皮の丈夫なサンダル。完全にシルディアナ男子の休日の格好だ。
だが、たったひとつ、それも目立つところに、見たこともないものをつけている。竜皮の黒い眼帯が、彼の左目をぴっちりと覆っていた。
「……久し振り」
挨拶だけは忘れなかったことを、我ながら偉いと思う。
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