8月3日 負け
今日ほど文章がまとまらない日もきっとないだろう、ということを先にお伝えする。
僕は失敗した。負けた。敗れたのだ。何に負けたのだろう。わからない。自分にかもしれない。友達にかもしれない。社会に、人生に、わからない。けれど僕の今の気持ちを表すには「負けた」という言葉以外に相応しく感じるものが思いつかない。負けた、というのは本来は勝負事の結果を表す言葉であって、事実状況を指し示すかなり明確で力強い言葉であって、曖昧模糊としたあまつさえ気持ちなんてものを表す言葉ではないにも関わらず、この矛盾を抱えながらあるいは矛盾しているからこそ、僕は負けたという言葉を使いたいのかもしれない。
僕は負けた。
一段落おきにこのフレーズを挟みたくなってきた。気に入ったというやつだ。
何がいけなかったのか。正直僕が彼女に何を言ったのか、あんまり覚えていない。随分話した気がする。今振り返って思って見れば、その時点でもう負けている。物事が長いというのは僕に言わせれば短所でしかない。長いのに短所とはこれいかに。とかく世の中の須らくはできる限り短い方が良い。いやそんな僕の自論はどうでもいい。
とにかく完全敗北した。前もって共通の友人に話を聞いてもらっていたときに、友人が言ってくれた言葉がある。「辛い人や助けを求めている人は、待っている言葉がある」僕は彼女が待っている言葉を見つけられなかった。あるいは見つけたところできっと、僕が言ってもダメだったんだと思う。何を言うかより誰が言うか。ただ僕でダメだったからといって他の人なら良かったかはわからなくて、もしかしたらこの地球上の誰が言っても無理だったかもしれないけれど、そんなことは神様くらいにしかわからないのだと思う。
そして僕も、待っていた言葉をもらうことはできなかった。僕のくそ長ったらしい演説を聞き終えた彼女からは「ありがとう」も「死なない」もなかった。正直彼女が最後に何を言っていたかあんまり覚えてないけれど、たった少し覚えているのは、自分が死んだとしても僕があとを追うようにして死ぬのはやめてほしいということと、今が人生で一番辛くて本当に苦しいということ、だけだ。
結果も経過も惨敗だ。あまつさえもっとひどい失敗を僕はかました気がするけれども、それについては明日書こうと思う。もしかしたら僕は最低な事をしてしまったのかもしれないと思うと、少しだけ心残りだ。
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