第2話

卒業式の日、隣の席だった彼とは、必要なことがある時だけだけど、話すことが出来ていた。結構仲良くなれたかなって思っていた。その日、私は先生が泣いているのを見て、なんで泣いているのかと思いながらも、涙が溢れて止まらなかった。隣の席の彼は、先生の話を聞いている時、途中までは平静へいせいを保っていたみたいだけど、私が泣き出してからは、彼も涙を流していた。私の勝手な思い込みだけど、彼が私と一緒に泣いていることに、ちょっと、嬉しさを感じていた。その後、彼とは同じ中学校に進学したのだが、同じクラスになることはなく、話すこともなく、3年間が過ぎていった。そして、現在、私は自分の夢を叶えるための土台作りとして、高校の受験勉強を必死の思いで頑張った。その結果、合格。入学して、クラスの名簿に載っていた同じ中学校出身の人の名前を探していたら、彼の名前。私は名前を見つけた瞬間から胸が高鳴るのを感じていた。だけど、なんでこんなにドキドキしているんだろうって、不思議に思っていた自分もいた。そして、高校に入学して同じクラスになった彼とは、名簿順に並ぶので、少し離れたところに座る。彼が、隣の席に座っていた他の女の子と話している姿を見て、私は勝手に嫉妬しっとを覚えた。私の方が、彼と話していたい気持ちは大きいのに、どうして私じゃないんだろう。それから、何週間か経って、席替えをした。私の席は一番後ろの席で、8列ある席の右から4列目で、彼は5列目、つまり隣の席だった。けど、私がペアを組むのは3列目の人と、そして、彼とペアを組むのは6列目の席の子。私はまた、勝手に嫉妬をして、ひとり辛い気持ちになる。

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恋なのかな 池野向日葵 @baron2260

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