恋なのかな

池野向日葵

第1話

中学2年の10月秋のこと。コンビニで買い物をしていると、同じ学校のジャージを着た170cmは遥かに超え、180cm以上あるんじゃないかというほどの背の高い男子生徒を見かけた。自分は私服だったので、相手は当然、自分のことなど、ただの通りすがりだと思うだろうと考えていた。だが、横をすれ違う時、彼は自分と目が合うと、かなり驚いたような表情をし、通り過ぎていく。果たして彼は、どの学年の人なのだろうか。見たことがないような顔だったが…。

そして、翌日、私は学校へ向かった。先日の1件の事など、まるで忘れていたが、その日、私は見つけたのだ。あの日見た、あの男子生徒を。

彼は、同じ学年でクラスは1組のようだ。漆黒の学ランに身を包んだ彼は、少し大人っぽく見えた。この間に見た、ジャージ姿の彼というのは、少し子供らしさが垣間かいま見られた。しかし、そういうところに、私は魅力を感じているのだろう。彼の存在を確認することが出来たので、次に私は、彼の声が聞きたいという衝動に駆られた。彼はどんな声で話すのだろう。想像では、中性的な声に近く、少し低めな声で話しそうだなと思っていた。彼は、どんな部活に入っているのだろう。とか、彼は、どんな友人を持ち、どんな教科が好きで、得意なのだろう。とか、様々な質問が浮かんできた。だが、私は彼と、面識があったわけでもなく、たまたまコンビニですれ違っただけというくらいで、話しかけていいのかすら、わからない。彼女はいるのだろうか。いたとして、どんな人なのだろう。いなかったとしたら、どんな人が好みなんだろう。もし、彼に話しかけることが出来たとしたら、きっと、彼を質問攻めにしてしまうんだろうな。

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