友/情
最初に言い出したのは誰だったか。
いつの間にか私達は、もう引き返せないところまで来ていた。
崖っぷち、というやつだろうか。
とにかく私達は、同じ空間に閉じ込められた友人達と励まし合いながら、無情なる椅子に縛り付けられていた。
ファッキン夏期講習。
お前ら全員熱中症でくたばっちまえ、こんハゲ。
帰りに冷やし中華食べに行くから、忘れないでね。
クーラー寒くない?
わかる。
これは?
わからん。
どっちだよ。
お腹空いたー。
喉乾いたー。
……ぁふ。
眠るなー。
起きろー。
死ぬぞー。
雪山かな?
そうなん?
この部屋寒過ぎない?
私達は誰一人として、試験前に遊び呆けていた己を呪わなかった。
反省もしなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます