せかいがほろんでもしゃせいしたいっっ!



「へー、じゃあ山田さんはエロ漫画描いてるんだ〜」

「原作だけどね」

 僕のいちもつに舌を這わせるデリヘル嬢のゆきちゃん。

 足の指先から脳へ微電流が走るような快感。僕は思わず叫んだ。

「おほーっ! やっぱりオプションで二人呼んだのは良かったっすなー」


 ゆきちゃんが舐めて唾でぬらぬらと濡れた僕の竿にもう一人の嬢、あんずちゃんのしっとりとした唇が絡みついた。


「あぁっ!そのまま左右から責めてちょ!」


 これ何てエロゲ?


 僕はそこらの男どもがリアルでは体験できない。いわゆる両側チンポ責めを受けていたのだ。

 リアルセックスとは普通二人でするもの。「今日は女友達連れてきたから3pしてもいいよ❤」なんて言ってくれる彼女そうそういないじゃーん!

 つまり僕はリアルでは負け組のはずなのに、リアルでは体感できないこんなスンバラスィことをできているのだ。


「原作? どういうこと?」

 ゆきちゃんが口を止めてこっちを見た。揉み上げのブラウンの髪をさらりと搔き上げる。超SEXY!

「僕がネームを作って、ヒロ君っていう大学の友達が絵を描く。二人揃って一つの作品ができるんだ」

「じゃあ、そのヒロ君は絵が得意なの?」

 僕はフッフッフッと笑った。当たり前だ。というか、僕が絵かけたら自分で漫画作ってるつーの!

「あぁ、彼の人体デッサンに対するこだわりは強いよ。納得いくまでずっと修正している」

 杏ちゃんはゆきちゃんと僕が話している間もせっせとアンダーソードの側面を下で研磨していた。彼女はあまりおしゃべりではないが、こういう健気なところ僕は好きよ。

 ちなみに彼女には堅実な妹キャラを演じてもらっています。


「じゃあヒロ君は「しゃせい」得意なんだぁ」


 ……しゃせい? 


 少し考えて自分のゲスな思考回路に参ってしまう。写生、デッサンのことだ。

「あぁ、もちろん」

「おにいちゃんは……しゃせいできないの?」

 杏ちゃんがようやく口を聞いた。


「え?」


「だっておにいちゃん、ずっとしゃせいしてくれないもん」

「ふふふ、じゃあ私もお手伝いしちゃおっかな〜」


 おーっと、ここでゆきちゃんが戦線復帰。

 僕のレッドソードを再び両側から舐め上げられる。

 そして怒涛の言葉責めが始まった!


「ヒロ君がぁしゃせいできるのにぃ、お客さんはしゃせいできないの?」


「お兄ちゃん……冷たい」


「ちょっと、もうどっちの意味なのか」


「だってぇ、こうしている間にもヒロ君は公園で必死に「しゃせい」しまくってるかもしれないんでしょぉ?」


「え、それデッサンの方じゃなかったら普通に警察沙汰だよね?」

「お兄ちゃん悔しくないの……ヒロ君みたいに思いっきり「しゃせい」したくないの?」


「我慢しなくていいんだよぉ〜。しゃせい、したいよね?」


 僕は頭のネジがどうにかなりそうだった。


 もうこのラブホテルの一室を除いて世界が滅んでもいいわ。戦争とか政治とか愛とか悪とかどうでもいいわ。まとめて吹っ飛んでください。

 ヒロ君ごめんね。君を含めた全人類が滅びても、僕はこのカビ臭い部屋でしゃせいし続けるよ。それが、残された者からのせめてもの償いと言うのなら。

 あぁ〜サルになる〜。


「僕だってしたいさ、ヒロ君よりもっと……エクセレントなやつを」

 

 そして僕は夢精した。

 あぁ、またやっちまったよ。

 現実の僕に風俗で豪遊する金なんてこれっぽっちもありませんでした、残念。

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