Round.04 ユードラ /Phase.2
アトマが呑気に告げる通り、レーダー外縁に反応が一つ、観えた。
観測位置に付属するタグには、
そうこうしている内に、相手側から
「所属不明艦に停船を求む。私はシンザ同盟ツァーリ恒星系
空中、やや上空遠方に静止しているレンドラの
「どうしよう? さっきの
【でも受け答えしないと攻撃されるんじゃ?】
「……とりあえず、船を泊めよう」
ジルヴァラは
「よろしい。姓名、所属、階級及び、目的を聞かせてもらえるか?」
停船を確認した後、質問が繰り返される。
落ち着いてはいるが、有無を言わせぬ語調だ。カノエは何故か、遠野ミスト前で受けた警察官の職務質問を思い出していた。
「名前はミクモ=カノエと言います。この船の所属は、シンザ同盟……だと思います。階級はわかりません。目的は……ええと、クヴァルから逃げてる最中です。たぶん」
判っている範疇で、なんとか文章を作って応答する。
「ではミクモ殿。シンザ同盟のどこの所属だ?」
「それは……判りません」
「ふむ……
「それが……あー……ええっと」
状況を説明しようにも“自分は六千年寝ていたので良く分からない”などと言ったところで、話がややこしくなるだけだ。
「ほう、女……ではないな。少年か……若いな。成人前……三十過ぎと言ったところか?」
レイオンと名乗った男は、
「三十!? いえ、十七歳です」
「十七!? この会話は録音されている。詐称の類は為にならんのだが……それとも、やはり女だったか?」
「嘘じゃありませんし、女でもありませんって」
よくよく考えれば、今のカノエが十七歳である保証は何もないのだが、そう答える他無かった。
「たった十七そこらの少年が
一方的に捲し立てられているが、さほど嫌な気がしないのはレイオンの物腰によるものだろう。しかし、次の台詞はカノエの予想を超えるものであった。
「嘘を言っているようには聞こえないが……致し方ない……
そういうと、レイオンの
ヘヴンズハースでは中庸な武器の一つで、特化した特長は持たないものの、
が、今はそんなことよりも、だ。
「いやまてまてまて! どうしてそうなる!」
先ほどまでの穏やかな
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