無限の種火

言葉は叡智の灯であった

営みを照らす傍ら

灰燼を生まずにおれぬ

業火を孕む熾でもあった


悪しきばかりのものよりも

それは真に罪深く

焔の如く

焔の放つ光の如く

その罪業を眩ませる

断罪するには恩寵篤く

人の意識に根づいた火種

その明るみに筆を浸して

文を綴る私もまた

既に心は焼けている


それでいて

筆を干すのは土の下とも

悪びれもせず悟るのだ

文の明かりが栄える街で

焦土の上に立ちながら

人は息吹を燃やすのだから

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