月映えの夢

輝夜

深き藍の懐で

夜が月を抱いている

朝と昼の目を盗み

満ちては欠ける移ろいを

尊ぶようにりあやす

弓弦の如きか細さが

いずれ豊かに微笑み咲かす

十五の夜まで


夜が譲りし射干玉の

髪に戯る白兎

若月は齢を重ね

花も盛りの望月へ

雲居に紡ぐ月影は

稚き闇を織り成して

夜に溢るる久方の

愛の限りを描いている

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