北国から
厚く雲を重ね着た山の麓
降り落ちる雪を踏み歩く冬の朝
節くれた岩壁に打ち寄せては
砕けて波の花を宙に舞い散らす
雪も波も風に運ばれ
空から山へ
沖から岸へ
西から東へ
流れていく
荒れる波飛沫の上で
悠々と鴎が漂っている
小鳥達のように山に籠もるでもなく
群れ遊ぶように波と戯れる様は
強かで自由であるように見えた
吹雪の中を往く鴉を初めて目にした時
何と寂しく凛としたものかと思えども
今となってはそれも羨ましいものに感じる
鴎にも鴉にも言える事には
彼らは寒さを恐れていないらしい
冬に挑むかのように翼を広げ
堂々たる姿を誇る鳥達に
地上で震える私達は
如何映っているだろうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます