徴用された各種小型船舶 その一(ざっくり)
我が国日本は、今も昔も海洋国家です。
これは海が全部干上がった世界(宇宙戦艦ヤ〇トとか?)にならない限り、変わることは無いでしょう。
このことが、第二次大戦開戦時の日本海軍を悩ませる事になります。
現在でも、日本の排他的経済水域は世界6位で、戦前は南洋(パラオやトラック諸島など)を領有していましたのでその面積は莫大なものでした。
そんなに面積が広すぎると、敵の船や飛行機に進入されても把握する事は困難を極めます。焼石に水ですが、駆逐艦などで洋上をパトロール(哨戒)などを実施はしていました。ですが、その上で駆逐艦などの小型艦艇は作戦行動(戦闘や船団護衛など)で精一杯。とても哨戒には回せません。
そして当時就役していた海防艦はなんと4隻。1942年頃に南方に派遣され、船団護衛に従事していた一隻を除いてずっと蟹工船をアカから守る仕事をしていたので、熱い海の警備はできません。
ところで、戦争が始まってから、南極海での捕鯨が出来なくなってしまいました。(当時は商業捕鯨は規制されていませんでした)それ以外にも、南洋でのマグロ釣りなども、戦争の為、中止されました。
これに目を付けたのが海軍。長い航続距離(長い物で地球約半周)を持つ、大型の漁船(それでも300tほどの排水量)は、洋上での哨戒にピッタリでした。
海軍に徴用されたこの漁船たちは、乗組員そのまま、新たに無線機と機銃(多くて3丁とかそんぐらい)、船によっては小さな大砲と海軍軍人を載せて南の海や、東北沖の太平洋に派遣されました。
因みに、敵に見つかる事は即ち死でした。なぜなら、碌な武装も装甲もない漁船で駆逐艦には敵いません。
結局、終戦まで生き残った船は手で数えられるレベル。
……こんな調子だから批判されるんだよなぁ。
(因みに海軍内ではこうした徴用漁船は消耗品として扱われていたそうです。旧軍はこんなエピソードばっかりだ)
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