2019 年 4 月 3 日

 清々しい憂鬱。

 目覚めたままみる夢の中では飢えや渇きさえ厭わしく思われるようになる。その夢においては魂がいっとき身体から開放され、つかの間の自由を味わう旅に出る。「霊的な」、「形相的な」あるいは「天使的な」。その瞬間を示すために好きな形容詞を選ぶといい。

 身体が牢獄であるということは正しかった。しかし、天体が不滅であるということは誤っていた。いずれの天体も滅びを内含している。魂は文学や形而上学という天体を巡る一種の衛星である。それらもまた、名前も知らない星と同様に、いずれ滅び去る。

 青色とばら色とに彩られた、黄昏に埋もれるこの広大な二重の部屋において、我々はもはや阿片に酔う必要はない。牢獄から解き放たれた、意味の愛好者であるだけで十分である。混じりけのない旅人であるだけで事足りる。

 星が滅ぶときの鮮烈な光はやがてまったく消失してしまうのだろうか? それでは我々の愛好するところの意味は?

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