6章:打ち合わせを終えて
第33話 打ち合わせの反省点
打ち合わせを終えて時計を確認してみると、2時間が過ぎていました。
1対1の打ち合わせとしては、かなりの長時間です。
しかも、ほとんど雑談の挟まれない密度の濃い打ち合わせであり、編集の方も大分消耗されたのではないか、とお気の毒に感じました。
これから社に戻り、終電まで作業をされるのかと思うと、もう少し効率的に打ち合わせを進めるべきだった、と申し訳なくなったものです。
振り返れば、いろいろと反省点のある打ち合わせでしたが、中でも大きく2点、改善すべき点があったように思います。
1点目として、まずは圧倒的に事前リサーチが足りなかったこと。
出版社が存在するかどうか、詐欺でないか、というところにばかり目がいきすぎて、そもそもライトノベルがどういう場所で売られていて、何が流行りなのか無知なまま打ち合わせに臨んだのは痛恨のミスでした。結果的に打ち合わせで議論が深まらなかった一番の要因であったと思います。
2点目として、業界の事情を聞き出すためとはいえ、意図がずれたままの打ち合わせを続けたこと。
明らかに私が悪いのですが、相手の話を引き出そうとするあまり、ビジネス書の方向で出したいというこちらの要求を後出しする形になりました。
これは交渉の姿勢としてフェアではありませんでした。結果として本来の身のある打ち合わせの時間を削ることになってしまいました。
良かった点もあります。
まずはスーツで行ったこと。名刺を渡したこと。
これらは社会人としてきちんと対応する、という先方に対するメッセージとなったように思います。
とはいえ、昼間のファミリーレストランで周囲にサラリーマンがいる中での「エルフ耳」と「ハーレム」の連呼は、かなり精神に応えました。
次回以降のミーティングは、必ず社内にしてもらおう、と誓ったものです。
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