第2話「私のブログに翻訳させてください」というメール

これだけ用心深く疑ってかかったのには、別の経緯がありまして。


異世界コンサル株式会社(原題:冒険者パーティーの経営を支援します!)は何かの勢いで日間1位をいただいたわけですが、そうすると何通かメッセージボックスにメールが来るんです。


曰く「あなたの作品は素晴らしいと思う。ついては韓国で自分のブロクに翻訳して転載させて欲しい」

あるいは「あなたの作品を翻訳させて欲しい」


なろうのアカウントをわざわざ取ってメールを送ってくるんですね。

それで「こういうことをする人はどんな人なのだろう?」と好奇心で見に行ってみると、明らかに捨てアカウントなのです。

作品を投稿していないのは勿論、ブクマもなければ評価もしていない。


怪しさマックスですよね。


いろいろ調べたり聞いて回ったりしたところ、どうも韓国あたりに、なろうの小説をマークして上位作品にメールを送りつけ、もし韓国で作品が出版されることになったら出版権を主張して転売を企む、といった転売ビジネスがあるということがわかってきまして。


それを知って以来、メッセージ機能経由とはいえ、その種の出版の申し出に殊更に用心深くなっていた、ということはあるかもしれません。


閑話休題


さて。とにかく連絡をいただいた出版社の事務所に訪問することにしましたが、すぐにというわけには行きません。


仕事の合間に訪問時間を調整して・・・とメールをやりとしていると、またもや運営さんから「書籍化打診のお知らせ」というメールが来たわけです。

2社目の打診です。


正直なところ1社目でも信じられないのに、2社目から打診がくる。

喜んだというより、なんとも現実感がありませんでした。


ええ。一応、同じように出版社から編集部、電話番号から事務所の住所までググりましたとも。


それでどうやら、何かの間違いではなく本当に書籍化の打診というものが来ているのだ、という実感が湧いてきたのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る