第4話 淑女の拳 ~聖鬼松、救聖母伝説~
聖・鬼松女学園中等部。力を持たぬ者達が混沌化した学園で生き残るために、中等部敷地内を外敵に見つからない様に移動しながら小規模な集落を作り生活している者達が居た―――――
「アヤお姉様、もうすぐ、ですわ。しっかりなさって」
「ミキも無理しないでね。道案内に先に倒れられたりしたら大変だからね…」
――――その集落に、二人の女が現れた。見張りの武装お嬢様達がアヤ達に気付いて強く警戒した
「どちら様でして!?」
「一人は高等部の方ではありませんか、何用ですの!」
アヤ達は力なく答え――――
「み・・・みぃ…」
「水を…いただけ・・・・な・・・・・」
「バタッ・・・」
―――――倒れてしまった。警備の者が二人の様子を見に駆け寄った
「行き倒れ?…この方はミキさんではありませんの!?」
「するとこち方が義姉妹アヤ様・・・・」
「元同胞とはいえ、ミキさんをこのまま中へ入れる訳にはいきませわ。牢屋に入れましてよ!」
「はい!」
そうしてアヤ達は―――
「ガチャン!」
――――牢屋に入れられた
「うう・・・やっと日影に入れましたわねアヤお姉様」
「まだ水をもらってないけどね。しばらくここで休んでようか」
しばらくすると、少女が水を持って来た
「お水・・・持ってきました」
「あら、ありがとう・・・・」
ミキがその少女から水を受け取ろうとすると、横からアヤが割り込んで少女の腕を掴んだ
「ガシッ」
「ひっ!?」
「キミ可愛いね、お名前は?」
「あ、あの・・・リカと言います」
アヤは不敵な笑みを浮かべてリカを鉄格子ごしに引き寄せた
「ふふふ・・・僕はキミをいただこうかな」
「あまり熱を上げると脱水症状が進みますわよアヤお姉様・・・」
ミキはその光景をジト目で見つめながら水を啜っていた。すると・・・
「何してますの!?」
他の見張り連中に見つかり、人がなだれ込んで来る
「あべぴッ・・・!」
そしてリカは謎の奇声を上げ人混みに跳ね飛ばされていった
「抜け駆けは許しませんでしてよ!」
「アヤ様!食べるならわたくしをお食べになって~♡」
「あの盗賊団プリンセスが起こした流血のブラッドバレンタインデーのお返しに、ミキ様と血も肉ものこざず滅殺した白骨ホワイトデーのお話は今でも語り草です♡」
ミキはその人混みを愛想笑いえを浮かべて答えた
「あまりアヤお姉様においたが過ぎると、そのくだらない事をダラダラと語る締まりのない下の口を針金で縫い付けましてよ♡」
アヤはミキをたしなめた
「ミキ、あまりはしたない事を言うものじゃないよ・・・・逆効果だから」
アヤの言葉どうり黄色い声がさらに響いた
「ミキ様ぁ、縫い付けて!!むしろ全身縛り上げてぇ~♡」
余りの騒ぎに現れたこの集団のボスらしき女性が怒号を上げる
「あなた達!不潔にもほどがありましてよ!」
その騒ぎとは別の波乱を生む知らせをモヒカン女子が女ボスに届けに来た
「ジイコ!大変だ!偵察隊の奴らが!!」
「なにぃ~?!」
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