秋雨、リズム

秋の雨に打たれる紅葉もみじ

手ぶらのままで歩く帰りの小道

なんとなく口からこぼれる吐息

ビニール傘が壊れた、春の遠い日


もう雨は降らないと思っていました、正直


家の前の畑の案山子かかし

なすすべもなく、雨晒あまざら

無言で「傘をくれ」と語り

「今は持っていないの」と、私


傘は置いてきました、六月の中に


夏が終わったぞと、渡り鳥たちは移住

窓を開けて、雨が入ってこないかな、と杞憂

だけど入ってきたのは生ぬるい微風

見えるのは、赤くなって枯れていく、秋の美醜びしゅう


私の中で反響する、弾ける雫

そのリズム

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