第6話「溢れる涙」
家に帰るとわたしはすぐに自室へと向かった。
わたしに気づいた母がキッチンから「おかえり」と声をかけてくれたものの、それに答える元気は残ってなく、わたしは何も答えなかった。
階段を上りすぐのところにある自室へと入ると間を置かず扉の鍵を閉めた。
カバンを放り投げるようにして隅に置き、ベッドにダイブ。そして無言でシーツを掴んだ。
涙が溢れてきた。
わけがわからない。何がそんなに悲しいのだろう。何がそんなに辛いのだろう。
たかが少し冷たくあしらわれたくらいで何を泣いているのだろう。
盗み見ていた罰だろうか。
わたしはそのまま涙が枯れるまで泣いた。
ご飯も食べず、ずっと泣いた。
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