異世界を通して学ばされる、現実世界の矛盾。

某作品のパロディーを思わせるタイトルだが、そんなことは全くない。異世界に当たり前に存在しているが、誰もそれを「穴」だと思わない「穴」。その「穴」を、崇高な意思を持って活動していたが、穴太郎の陰謀によって殺された主人公りえりーが正す。ここまでだとありふれた異世界ものだと思われる。しかし、実はその「穴」は現実世界における様々な矛盾を暗に示唆しており、その構成、テーマの扱い方が素晴らしい小説である。

その他のおすすめレビュー