0ー5
あの日からオレの価値観は変わった。
毎日が彩り溢れ希望に満ちていた。朝起きるとが楽しくなり、表情も前より快活になった気がする。
きっと世界が変わったという言葉は、このためにあるのだろう。
あいつとともに過ごす日々がオレを変えていったのかもしれない。
遊び相手の増え、オレたちは毎日のように遊んだ。隣町に流れる川で飛び込みをしたり、丘の上を突き進んで街を一望したり。何気ないものだったけど、それが途轍もなく大切で。あの頃は楽しかった。
楽しみにしていた花見が大雨で中止になったときなんか、駄々をこねたあいつはひとり飛び出して、探しに行ったこっちが迷子になったり、やっとのことで追いついたあいつの顔は服と同じくらいずぶ濡れで、ぐしゃぐしゃだった
帰りに乗ったふたりぼっちの電車のなか、やっと泣きやんだその寝顔はあどけなくて、まぶしかった。
幼馴染みとしてのオレたちは仲睦まじく、清らかで。そんな日々が楽しかった。
単純だったオレはただそれを謳歌していた。
まるでそれが、約束された日常なんだと勘違いして。
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