第6話
花火の見えるあたりに着く頃にはもう空が深い藍色に染まっていた。
彼女のスカートも真っ白だった白ではなく空と同じように深く藍色に染まっていった。
「お腹すいた」
ボクのその一言から近くにたくさん出ている夜店を2人で周り、たこ焼きや焼きそばミルクせんべいにりんご飴さらにかき氷まで、たくさんの夏の風物詩っぽいものを手当たり次第食べていた。
そろそろ花火が打ち上がるよ。
すれ違った子供連れの家族の会話が聞こえた。
「そろそろ場所とらなきゃいけないな。」
「あ、そうだね。向こうの方にしようか」
花火なんて小学生の時、車の中からたまたま見えたあの赤い花火くらいだ。なんて、自分にしかわからないことを考えていた。
「きれい」
久々に見た花火は、意外と音が大きくて想像以上に大きくて周りが昼間なんじゃないかってくらい明るく光る物もあって、楽しかった。
ふと、横見た。
後に見なきゃよかったと後悔した。
花火を見る彼女は
綺麗だったから。
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