第4話

家についてシバとダラダラしていた。

そしたら携帯の着信音が何をするでもなく、ダラダラしていたボクの部屋に鳴り響いた。

「誰だろう…」

そういってズボンのポケットから携帯を取り出してみると、メールがきていた。くるなんて想像していない人物から。


「セ…カイさんからだ。」

「お!おう!なんて書いてあるんだ?」


シバが不自然だ。


「8月5日の花火大会一緒に…行きませんか?だって。」

「その日ならカイ塾ないし大丈夫じゃん行ってこいよ!」


やっぱり、シバか。ボクと同じ塾に通っているのはシバぐらいしか見当がつかないから。

嫌いな人に貴重な夏休みを割くのは気がひける。出来れば行きたくない。でも、ボクの短い人生の中で、友人のシバがこんなに頑張ってくれて、彼女がボクのために一生懸命になっていると考えたら、行きたくないより行かなきゃならないという考えの方が勝った。


「うん…」

「決まりだな!」

「とりあえず時間と場所きこう。」


そういって、普段は家族とシバくらいにしか打たないメールをシバと時間をかけて打ち返した。

たまにはこんな夏も悪くないのかもしれない。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る