第2話

天才は恵まれている。しかし、その一方でとても不利だ。やれば出来るから、それが当たり前なんだ。だから、出来るということの 喜び と 感動 達成感 というものに疎い。

それを実感したのは彼女に出会った時だ。天才はずるい。人に新しい考えを与えるから。ボクがこんな考え方をしたのは彼女に出会うまでしたこともなかった。


ボクは努力家だ。喜びも感動も達成感も知っている。そして、絶望も諦めも苦しみだって知っている。





二年五組は、彼女とボクのクラスだ。彼女とボクはクラスメイト。二年連続嫌いな人同じクラスになってしまった。最悪だ。

ボクは勉強にも割と力を入れてきたのでテストなどでは、クラスの上位を争える。そしてそれは彼女も同じだ。


「サカイ君物理何点?私はあんまり良くなかったよー!」

「そんなこと言ってセカイさんいいだろ。いっつもそうじゃん。」


話しかけられたことで少し不機嫌になったことを悟られないように笑顔で対応する。


「おっ!テスト上位の優等生達!休み時間なのに勉強の話ですかぁー?」

「うるさいよ。シバ。」


シバ と彼女に呼ばれたのはこれまた、頭のよろしい天才 シバ コウセイ 。サッカー部のキャプテンでボクとも結構仲がいい。音楽の趣味もあうし、それ以外でも割と共通点が多いから。


「そういうシバは何点だったんだ?」

「俺?93だった。大問6回答ズレててさぁー!」

「は?高得点じゃん私一点負けたよ。」

「カイは?何点?」

「カイって略しすぎな気がする。サカイな。俺も92だった。」

「いいじゃねぇか。カイってかっこいいし。じゃあ、セカイとカイは同じ点数か。お前ら本当仲良しだな!」

「やめろよ。セカイさんが困るだろ。」


シバはやたらとボクと彼女をくっつけだかる。その度にボクがこうしてあしらうけど彼女は違う。


「な、なっ、に、何言ってんの!シバ!!!!」


彼女は顔を真っ赤にして、やたらと慌てて、明らかにボクに対しての好意を丸出しなんだ。








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