暗い時間に皆で上をただぼーっと見るやつ

 足元に広がる緑色のサワサワした毛のような短い線の集合体の上で、両腕を頭の後ろで組んで、寝転がった。近くにある表面がでこぼこした茶色く太い縦長のもの、その頭の部分になるだろうか、緑色で無数の楕円が連なったものが目に入る。その背後、遥か上に位置する黒くて暗い広がりは、ポツポツときらきらしたものをそこら中に散りばめて、とても綺麗だ。今日はその綺麗な小粒を観察しに来た。脇に置いた色々な物を中に詰め込んで背負える入れ物の中に、きらきらの繋がり方で名前が分かる薄い紙のような判別品と、覗き込むと小粒を拡大して見られる筒状の観察道具が入っている。これからやってくる太郎と花子と共に、とても暑い時期の、勉強しに行く施設の長い休みに出される持ち帰り勉強の一つを、共同で行なうものとして済ませてしまおうということになった。俺が道具を持ってきて、太郎が絵を描き写すための紙と様々な色の種類がある細長い手に収まる大きさの書き物、花子は途中でお腹を満たすものとして、ふわふわな感触の白い三角形を二つ重ねたもの、その間に黄色と白の入り混じった濃厚な味わいの具材を挟み込んだ食べ物をそれぞれ用意することになっていた。二人がここに来るまで、しばらく眠っていようか。俺は目を閉じて大きく口から重い固まりを吐き出した。

 ヒューッと、見えない軽そうなものが髪を揺らして、ここよりもずっと暗い向こう側へと走り抜けていく。今の時期には気持ちいい涼しさを肌で感じながら、広がる緑の毛の集まりの上で、静かにまどろんでいた。


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