第4話 少年の夢①

 誰でも魔術が使えるこの世界では、魔術を使った犯罪も決して少なくない。大抵の場合は警察が拳銃、または魔術によって対処する。しかし非常に凶悪な犯罪者や国民に大きな被害が起きると考えられる場合には、対魔術特殊部隊(通称 魔特)と呼ばれる特別な部隊が出動していた。特に魔術の扱いに長け、高い戦闘力で凶悪な犯罪者なら国民を守る、まるで正義のヒーローの様な魔特を憧れるものは少なくない。


 他の子どもと同じように、魔特に憧れる少年がいた。いや...憧れて少年がいた。少年の父親は魔特に所属し、多くの凶悪な事件に関わっていた。少年はそんな父親が誇りであり、憧れだった。そしてそんな父親と同じように魔特で国民を守りたいと思っていた。

 少年が小学四年生くらいの時に父親が殉職した。憧れの父親が亡くなったショックはとても大きかった。しかし少年はより強く魔特に入ることを望むようになった。義務感というと少し違ったのかもしれないが、少年は命を懸けて国民を守った父親の跡を継ぎたいと思った。

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