世界で最も穏やかな殺人鬼
ぐだっとりおん
第1話 悪魔
夜の闇に包まれた草原…
「どうしてっ…わたしがっ…」
立派なドレス-裾などは千切られ美しいとは言えないが-を着た少女は何かから逃げていた
「あっ!」
ドサぁっ
少女は足をもつらせてしまった、すると後ろから一頭の馬に乗ったまさしく【王子様】と呼べる男がやって来た
「さっさと立て!」
【王子様】は少女の髪を掴んだ-この時点で王子のすることとは思えないが-少女はそれに抵抗した
すると【王子様】は少女を乱暴に押し倒した
「ちっ、暴れるんじゃねぇ!…こんな夜でこんな場所に誰も来るわけねえからな…ヤっちまってもいいかもな!」
【王子様】は少女のドレスを無理矢理引き剥がして少女を犯そうとした
「う…あ……」
非力な少女はどうする事も出来ず、されるがままとなっていた
「やっぱコイツはいい身体してるな!」
【王子様】は愉しんでいた…だが、少女を強姦したことを知られてしまっては後の人生に響くであろうことを考えた…となればする事は1つ。少女を殺すのだ
「姫さんを追ったが途中で盗賊に襲われ姫さんは死亡!その盗賊たちを倒し死体であっても俺は感謝されるだろうからな…問題は無いな!じゃあ姫さんには悪いがここで死んでもらうぜ?」
【王子様】は護身用に持っていたナイフを少女に突き立てた
ザクッ
鮮血が飛び散った、その鮮血は少女の白い肌を紅く染めた
(ああ、これでやっと楽になれる…)
……ゴトッ
何かが落ちる音がした…落ちたのは
【王子様】の頭だった
「…え?」
【王子様】だったものの後ろに…
黒いローブに身を包んだ男が立っていた
(こんな男…さっきまでいなかったのに…)
その男は【王子様】の死を確認すると
「始末は終わったな…」
「ちょ、ちょっと待って!」
少女は男を呼び止めた
「…なんだ」
「あ、ありがとう…こいつを殺してくれて」
「…依頼で殺しただけだ。別にお前を助けた訳では無い」
「でも、私からしたら命の恩人よ!」
「俺はそんな貸しは要らない。俺は依頼を受けてそれを済ませただけだ。お前を助けることは依頼には含まれていない」
「…あなたは依頼でしか動かないの?」
「そうだ」
少女は考えた。彼になにかできないかと
「…ならさ、私の依頼を受けて」
「内容は?」
「私の両親を殺してほしいの。報酬は…」
その家と私よ
世界で最も穏やかな殺人鬼 ぐだっとりおん @Unknownkk
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