PKとかでね
きいきいと音が鳴る。
公園のブランコが、ひとりでに揺れていた。今まで誰か、子供が乗っていて、その名残で揺れているのだろうと、最初は思った。
でも、それにしては揺れがしっかりしているし、いつまでも揺れ続けている。僕は知らず、足を止めて、ブランコをじっと見てしまった。眉をひそめる。
「あのブランコ、おかしくないですか?」
甲高い声がする。見ると、小学校高学年くらいの女の子が、いつの間にか横に立っていた。よく見ると耳に、ピアスをつけている。もしかしたら中学生かも知れない。ブランコの方へ視線を向けていた彼女が、こちらを見た。
「誰も乗っていないのに、動いていますよ。ねっ、おかしいでしょう」
嬉しそうに言う。
「幽霊かも知れませんよ!」
「どうだろう」僕は溜息をつくように笑った。「誰かが、遠くから動かしているのかも知れないよ。PKとかでね」
彼女がふっと黙り込んだ。
数秒後、
ブランコが止まった。
僕は小さく戸惑って、まばたきをする。彼女は「あーあ」とオーバーに、残念がるような声を発した。
「なんだ、バレてましたか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます