あいつの本心

……、

………、

…………、

……………。


意識が浮上する、

見慣れた強張った顔がそこにあった。


「っ…、彰人、…の。」

「…なんで…ああ、が拙い言葉で説明してたっけ。

メッセージや目的がどうとか。」

「…なんでお前が…」


「…俺のせいだろ?意識戻さないの。

事故で片足無くして、そのせいで出血多量で生死さまよって…、医者は、もう意識を戻してもいいはずなのに…拒んでるようだって…、俺が暴れたから、だから俺にあいたくなく…「違う!」



翔が食い気味に声を張り上げそういったので、俺は口を噤んだ。






あいつは、見ての通り二重人格だ。


俺は、翔に出会ったのは幼稚園の頃、

その頃から俺はあいつに迷惑をかけてばかりだった。

俺は、短気で喧嘩っ早く小さい頃から喧嘩ばかりしていて、そんな俺を止めるのはいつもあいつだった。

俺はそんなあいつがかわいそうで、

俺はあいつを創り出した。



翔はあいつの方が好きなようで、

俺はそのたびイライラした。

俺もあいつと翔みたいに

普通に仲良くしたいのにと。

だからそのたび、歯止めが効かなくなり、

人格が前に出てしまう。

無論、

翔以外の前では出さないようにしていたが…。



あの時だけは違った。





なぜか、気持ちの歯止めが効かず、

俺が帰宅途中に、出てしまい、

荒ぶってしまった。

その途中、

違う高校のやつに喧嘩をふっかけられ

それに乗ろうとするのを翔は止めようとしてくれた。

それなのに俺は、

あいつを突き飛ばしてしまったその瞬間、

信号を無視した車が道路を通過し、

そこに出ていた右足を引いてしまった…。


俺はすごく後悔し、それ以降出なくなった。




でも翔はそれが原因じゃないという…、


「じゃあなんで。」

そう問いかけると、

「…大体はあってるけど、

お前に会いたくないからじゃない、

お前が彰人…作り出した人格とけじめをつけないから…、それがずっと嫌だった、

俺は2つが合わさった、本当の彰人と話がしたい。」


真剣な顔でそういった。


(そういうことか…)


俺は、理解すると、自分の潜在意識に

潜り込んだ。



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