新たな自分
俺が潜在意識に潜り込むと、
「初めまして。…うわ、同じ顔なのに
表情一つでこんなに違うんだね…!」
明るい俺がいた。
「そうだな…、俺も正直驚いてる。」
「お話、しよっか。」
「そうだな…、まず俺から質問。
…お前は俺をどう思う。
嫌か?消えて欲しいか?」
1番聞きたくて、1番聞きたくない質問だ。
「ん?あー、そうだね…、んー…
羨ましいかな。」
「羨ましい?」
「うん、羨ましい、喧嘩が強くて
本音をすっぱり言えて、
本当に羨ましい。」
「…お前、俺の事を知ってるのか。」
「少しだけ?」
「…そっか。
少し俺の事を知ってくれてるならいろんな
話は早いな。
俺はお前の事を羨ましいと思ってる、
というか、俺が創り出した人格だから
俺にないところを補うように、
創り出したからな。
…でも、翔は、お前の方がいいみたいだからお前だけを残そうかとかんがえてる。」
「ん?え?え?いやいやいや、ないよ!
だって翔はあなたのことも好きだし、
だから、僕とあなたが融合して欲しいって
願ってるよ?」
「そんなことない…」
「ある!だって本人が言ってたもん!
『二つが合わされば良いものになるのに…』って呟いた。
それはきっとおれらが良い部分と悪い部分を
お互い補って一つの人格になれ、
ってことなんじゃないかな?」
…そっか…だから、
あいつは…おれが逃げてるから、
戻ってこない…?
「そうだね…」
俺とあいつは、
お互いのいいところ悪いところを補い
新たな彰人を作り上げ
翔のもとに戻ると
翔は満足そうに、
じゃあ、戻ろうか、とつぶやいた。
それが呟かれた瞬間、
メッセージが届いた。
本当に戻りますか?
はい いいえ
そのメッセージに迷いなく、
はいを押し、新たな俺は意識を手放した。
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