本当のあいつとの再会

「…ゆうって、おれのなまえ…?」



しまった…と口を覆った時には

もう遅く…なかった…?




(あれ…アラームはならない…)


おれが混乱し始めている時に、

変わり始めた。


少し頭を抱え、苦しんだあと…


「…はやて…?…なんでここに……」

と俺の顔を不思議そうに見つめた。


多分おれの過去を語ったことにあいつは

記憶の糸口を見つけ手繰り寄せたんだろう。

しかし、怯えた目は変わらず、

いやもっと怯えは増したようにも見えた。


「…お前を本当の世界まで連れ戻しに来た。

今の俺には、お前が必要なんだよ…なんて、

今の…は聞き飽きてて

信用してもらえないだろうけどさ。」




「…どうやって来たんだよ…、ここまで…

僕の心の中まで…どうやって…。

なんでこんな時ばっかり颯は来るんだよ…。

なんで……っ…」




多分…全部思い出してしまったんだろう。



俺はずっと立ち尽くしていたが、

慎重に隣に座ると、小さくごめんと呟いた。


「なんで謝るの…、颯は悪くないのに…」

「俺がもっと早く見つけてれば、

お前はあんなことには…」

「いや、本当は知られたくなかった……

でもまだは、

誰からも聞いてないんだよね?」


「え…。どういうこと…?」

「…よかった、…こんな状態で話すのは、

少し考えてたのと違うけど…。

…ねぇどうやって来たの?

それを詳しく聞かせて…

それを聞いた後に、僕のこと話すから。」


「…わかった。」


俺はここに来るまでに起きたことを

すべて話した。


話終わった後、

あいつは表情を少し緩め

「そっか…、

不思議なこともあるもんだね。」

と呟くと、

緩めていた表情を元の硬い表情に戻し

衝撃的な過去を話し始めた。


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