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《橋本タオル店》
店長 (うきうきしながら)おい佐竹!
佐竹 (うきうきしながら)なんです店長
店長 二mタオル すっげー人気だな!
佐竹 本当ですね!さっき またタウン誌から取材依頼ありましたよ
店長 いやあ 有名になったもんだよな
佐竹 それもこれも あの小学生のブログのおかげですね
店長 まったくだ ブログってすげえんだな
俺たちもラジコン作る前に ブログ作ればよかったな
佐竹 まったくですね で これからどうするんですか これです!ってラジコンを見せるんですか
店長 分かってないな 俺たちが作ったのはゆるキャラじゃない 妖怪だぞ
佐竹 は?
店長 つまりだな 2mタオルの正体 これはもちろんお前が作ったラジコンな訳 だが ラジコンが正体ってことにすると面白さが全滅するだろう?
佐竹 全滅しますかね?
店長 だから 妖怪二メートルタオルは実在する お前が作ったのはそれを模したラジコン こういう立て付けにすればいいのさ
佐竹 えーっ そういうノリやるの恥ずかしいですよ
店長 いやいや このくらい本気でやったほうが子供もノリやすいし 大人はみんなニヤニヤできるんだって
佐竹 えー でも……
店長 さっき来たお客さんだって ほら親子連れの 楽しそうに妖怪の話してただろうが 妖怪は実在する!ってことにしといたほうが みんな楽しいんだよ
佐竹 そんなもんですかね
店長 そんなもんだよ 2mタオルは実在する!……何してんだお前 復唱しろよ
佐竹 何でですか
店長 心から信じるためだよ 2mタオルは実在する!
佐竹 2mタオルは実在する!
店長 いいぞ 2mタオルは せーの
店長・佐竹 実在する!
匠 どこだ妖怪は!
店長 ……えっ?
佐竹 い いらっしゃいませ
匠 もう大丈夫だ 私が来たからにはな どこだ 妖怪は!
(刀が風を切る音)
店長 あぶねえ!
佐竹 ちょっとお客様!営業妨害です!店内で暴れないでください!
匠 臆するな!私が来たからには もう安心だぞ!
佐竹 あなたに怯えてるんですよ! なんなんですか あなた
匠 申し遅れた なに ご覧のとおり消して妖しいものではない 私は前島匠(まえじまたくみ)妖怪ハンターだ
佐竹 妖怪
店長 はんたー?
匠 この近辺に新手の妖怪が出現するとの情報を得た 今はごく小規模の目撃譚に留まっているようだが いつ被害が出るとも限らん そうなる前にこの私が
(竹刀を振り回す音)
匠 妖怪を退治してくれよう!
店長・佐竹 ほえー
匠 二人とも 妖怪の名を叫んでいたな
佐竹 2mタオルですか
匠 そうだ!その妖怪はどこだ?
店長 あ えーとその そう 飛んでっちゃったんですよすごいスピードで
匠 なんだと どちらへ飛んで行った
店長 あ え あーとこの真上 真上です
匠 くそっ 見失ったな……仕方ない このあたりで聞き込みをするとしよう 異変があればすぐ連絡を 名刺だ
店長 あ ご丁寧にどうも
匠 暫くはこの町に滞在するつもりです ご安心ください 私は妖怪を倒すまで 絶対に諦めませんから では
店長 ありがとうございました……佐竹!なんだ今の出会いは!
佐竹 店長の知り合いじゃないんですか
店長 あんな奇天烈な知り合いいないよ!
佐竹 てっきり仕込みだと思いましたよ すごい入り込んでたし 店長が手配した役者さんじゃないんですか
店長 そうじゃないから怖いんだよ なんなんだ妖怪ハンターって 俺たちよりずっと世界観作ってたぞ 俺 ああいう人苦手だよ 対処の仕方がわからねえ
佐竹 また来るとか言ってましたね あ ひょっとしてお金目当てですかね 木刀持ってウチの周り うろうろし続けるつもりじゃ
店長 おいおい 洒落にならねえよ
佐竹 それともアレですかね 妖怪はいませんって言わせて ぼくらを嘘つき呼ばわりして 謝罪のためにお金よこせ!とか
店長 勘弁してくれ!だいたいなあ 妖怪2mタオルなんて いる訳がないだろうが
佐竹 うわっ さっきと真逆のこと言ってる
店長 しかし困ったなあ
佐竹 向こうの意図がわかりませんもんねえ
光昭 あのう すみません
佐竹 あっ いらっしゃいませ
光昭 えっと そのう
佐竹 なにかお探しですか
光昭 ええ 息子を探しておりまして
店長 ……変わったお客ばっかりの日だな
佐竹 ちょっと店長
光昭 ばっかり?ひょっとして あのう 私前島と申します こちらにうちの息子 お邪魔してませんでしたか 実はそのう 誠にお恥ずかしいのですが息子は そのう
佐竹 そんなに恥ずかしいんですか 顔が真っ赤ですよ
光昭 そのう うちの息子は 妖怪ハンターを名乗っておるのです……
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