脚本「妖怪２ｍタオル」

２

【公園】

大輔　わーん！やめてよ良ちゃん！

良太　ほら大輔　こっちだぞー

大輔　やめてよー！僕のめがね返してよー

良太　悔しかったら取ってみろ

大輔　えい　えい　届かないよー

良太　やーい　大輔って名前の癖にチビ助―！家でパソコンばっかりやってるから背が伸びねえんだぞー！

大輔　ちくしょう　お母さんみたいなこと言いやがって　ブログに悪口書いてやるからな

良太　そのブログも眼鏡がないと書けないよな？

大輔　うわーん！僕のめがね返してよー！

良太　ブログばっかりやってるから目が悪くなるんだぞ！

大輔　ちくしょう　お父さんみたいなこと言いやがって　返せ！

良太　あ　なんだおい　やる気かこの野郎！

（二人　もみ合いになる）

（強風の音）

良太　あっ！

大輔　えっ　どうしたの

良太　メガネ　飛んでっちゃった

大輔　えーっ！嘘つけよ　落としたんだろ

良太　ち　違うよ　いきなり強い風が吹いて　びっくりして思いっきりのけぞったらトン出っちゃったんだよ

大輔　放り投げたんだろ！ねえ　一緒に探してよ　失くしたらお母さんにすごい怒られるんだよ

良太　知らねえよそんなの　恨むんなら遠心力を恨め　じゃあな！

大輔　良ちゃーん！！うっうっ　なにも見えないよ　良ちゃんめ　ネット上で叩いてやる　どっちにいったんだろう　あの茂みのあたりかな　おーいメガネ　出てきてくれよう

（木の葉の揺れる音）

大輔　うわあ　服が汚れる　お母さんに怒られるよう　うっうっ　涙で余計に前が見えない　生き地獄だよう　メガネ―　どこだー

（木の葉の揺れる音）

大輔　メガネ―

（木の葉の揺れる大きな音）

大輔　僕の立ててる音じゃない……

（木の葉の揺れる音）

大輔　誰か木の上にいるんですか……？なんだこれ　白い　布？

【さっきまで大輔がいたあたり】

店長　いやー　はっはっは　吹いたな　強風

佐竹　なに笑ってるんですか　もー　どこ飛んでったんだろ

店長　まさかあんなにぶっ飛んでいくとはなあ　動画取っておけばよかった

佐竹　呑気な事言ってる場合じゃないですよ　車道に出て車にひかれたりしたらどうするんですか　弁償してくださいよ

店長　わかったわかった　とにかく探そう　向こうの森のほうへ飛んで行ったな

佐竹　お願いしますよ　どこへいったんだ　僕のタオルちゃーん

店長　なんだかんだノリノリじゃねえか　タオルタオル　ん？　なんだこれ　おい佐竹

佐竹　どうしました見つかりました？

店長　いや　メガネ拾った　なんでこんなもん落ちてるんだろうな

佐竹　どうでもいいですよそんなもん　ベンチの上にでも置いておけば　持ち主が拾いに来るでしょう

店長　なるほどな　しかし度のキツイメガネだな……ん？あれ？

佐竹　今度は何ですか

店長　あそこで小学生が木に向かって話しかけてるぞ　なんだろうな

佐竹　もう　そんなこといいからドローンを

店長　いやちょっと待て　あの木　がさがさ揺れてるぞ

佐竹　え……あっ！あれ！ドローン！！あの木に引っかかってるんですよ！

店長　マジか！小学生がじっと見てるぞ

佐竹　盗られたりしたら大変です　早く取り返さないと

店長　いや　ちょっと待て　これはチャンスかもしれないぞ

佐竹　なんですかその妙な笑顔は

店長　いいから　あの小学生にバレないように木の後ろに回り込むぞ　お前はよきところで　あのドローンを操作してくれ　行くぞ！キャンペーン開始だ！