筆者様の体験した4つのエピソード。どれも不気味な雰囲気を纏っていながらも、筆者様の霊的な力に対する畏れが描かれています。
全話に共通するテーマとして、「霊現象や科学的でない何かに対する意識を、どこまで他者と分かち合うか」。
オカルトや超常現象ほど、人によって態度が異なるものはめずらしい。全否定する人は全否定しか許さないし、一方では全財産を惜しまずそれに費やす人さえいる。
だからこそ不思議な経験をした人は、「どこまでそれを他者に話すべきか」ということに非常に頭を悩ませることになる。
この葛藤は実話怪談のみが持つ独特なもので、第4話の「ただ、どうしようもない話」にて率直に語られています。
まごうことなき実体験による怪談、堪能いたしました。