♯7 初陣②
ハーネスさんは作戦を成功させる。
そう信じていた。
――――!!
視界に入ったのは悲劇。
犯人の
誤算だった。
こうなる事も想定出来ていれば、別ルートでの作戦も考えられただろう。
だが、
起きた事は元には戻らない。
どうする。
どうやって
俺はコンクリートの地面に接近しながら、
――――今、奇跡でも起きて翔べたなら。
――――仲間を守る為に力が使えるのなら。
その為なら、【害蟲】にでも成れる。
いや、その為に【害蟲】に成ってやる。
背中の
決して美しい訳ではない。
泥で染めたみたいに
しかしその時ばかりは、輝いた。
覚悟した
人はそれを、奇跡と呼ぶのだ。
ジェットコースターに勝るとも
「……
蚯蚓が振り向くや
飛び付いて掴んだからか、奴の
『う゛っ』という
「これでも
鱗粉一つひとつが独立した生命の様に、腕を
「ぐっ……?グォオォォォオッッ!?」
思いがけぬ刺激に対処出来なかったらしい。
その行動を待っていた。
無論見えていない蹴りを避けられず、蚯蚓の体はハーネスさんを離し宙を舞った。
だが奴に対する物理的な攻撃は、致命傷にはならない。
とどめには、やはり乾燥しかないのか。
「ハーネスさん、空調パネルに【棘】飛ばせますか!?」
蹴って傷を与えた
「……【
彼は【
その中でも【棘】は毒針を射出するもので、物理的な破壊力も毒の有害性も高い。
俺はこの破壊力に懸けた。
空調パネルを破壊し銀行を砂漠並みに乾燥させられれば、確実に
「じゃあな【害蟲】共!!」
俺は銀行の中へ、
どうやら人質は戦闘中だった数分のうちに避難が終わっていたらしい。
だとすればもう、
丁度【棘】が空調パネルを滅茶苦茶に破壊して、銀行に乾きの嵐が吹き荒れる。
「駆除完了――――!」
嵐の中でくしゃくしゃに
その無様な最期が、いつかの路上の乾き切った
「……犯罪者とはいえ、一つの
自分の手に今更、首を絞めた感触が
震え
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