第240話偶吟
偶吟
人生變改故無窮 昔是朝官今野翁 久寄形於朱紫内 漸抽人蕙荷中
無情水任方圓器 不繁舟随去住風 猶有
たまたま、口ずさむ
人生の移り変わりというものは、もともとが果てしないもの。
昔は、朝廷に官位を得ていたとしても、今は田舎の老人でしかない。
朱や紫といった高級官僚の衣に身を包んでいたこともあったけれど、
少しずつ身を引いて、今は野原の蕙草や蓮の花を身にまとう生活に変わっている。
情けなどわからない水は、丸にも四角にも、その身を任せてしまうし、
舟が岸から放たれてしまえば、動くのも止まるのも、風任せになる。
今になっても、鱸魚や蓴菜が恋しく思う。
来年の春にでも、江南に出かけてみようか。
※
※
○会昌元年(841)、洛陽の作。
○自ら望んだ洛陽での隠居生活を過ごしながら、少し暗めであったけれど、かつての任地江南を思い出して、最後には旅をしたいと元気を取り戻している。
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