第238話閑適

閑適


禄俸優饒官不卑 就中閑適是分司 風光暖助遊行處 雨雪寒供飲宴時

肥馬軽裘還粗有 麤歌そか薄酒亦相随 微躬びきゅう所要今皆得 只是蹉跎さた得校遅


閑適


報酬は多く、官位も低くはない。

何と言っても、分司の職は閑適そのもの。

風光も暖かく、外出を助けてくれるし、

冷たい雨や雪にしても、宴席に話題として興を添えてくれる。

馬はしっかりと肥え、皮衣も軽いものを着ることができ、

下手な歌や薄まった酒の相伴もしてくれる。

貧しい身分であった私であったけれど、欲しかったものは全て手中に収めた。

ただ、様々な事があり、ぐずぐずして手にするのが、少々遅れたけれど。


※優饒:豊か、多い。

※就中:とりわけ、何と言っても。

麤歌そか:下手な歌。

微躬びきゅう:貧しかった私。

蹉跎さた:時勢に合わず、不遇な様子。逆境であった時期を表現している。


○開成三年(838)、洛陽の作。

○様々なことがあったけれど、今は金と時間には困らない生活を送っている。

 白楽天自身としては、これも幸せな時期になる。

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