第227話微之、敦詩、晦叔、相次長逝、巋然自傷

微之、敦詩とんし晦叔かいしゅく、相次長逝、巋然きぜん自傷

因成二絶 

其一


併失鵷鸞えんらん侶 空留麋鹿びろく身 只應嵩洛下 長作獨遊人


元稹、崔群、崔玄亮が相次いで亡くなり、自分一人だけが残され、心を痛めている。

それもあって、二首の絶句を詠む。 

その一


相次いで、鳳凰や鸞のごとき友を失った。

この鹿のような、どうでもいい身だけが空しく生き残っている。

嵩山や洛水に囲まれた地にいるのに、これからは一人きりで遊ぶ以外にはないのだろうか。


※微之:元稹。最大の友人。

敦詩とんし:崔群。長年の友人。

晦叔かいしゅく:崔玄亮。貞元十九年(803)、吏部の試験に一緒に合格して以来の友人。

巋然きぜん:山が一つだけそびえている様子。

鵷鸞えんらん:鳳凰と鸞。神聖な鳥であり、賢者のたとえ。

麋鹿びろく:ナレシカやヘラジカ等の大型の鹿。


○大和七年(833)、洛陽の作。

○長年の友人が相次いで亡くなり、自分だけが残されてしまった。

 ようやく安楽の生活になったと思えば、友がこの世にいない。

 白楽天の寂しさは、生きるにつれて増すばかりなのだろうか。

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