第220話履道居三首 其一

履道居三首 其一


莫嫌地窄林亭小 莫厭貧家活計微 大有高門鎖寛宅 主人到老不曽歸


履道里の屋敷 その一


土地が狭いとか庭が小さいとか嘆いてはならない。

家が貧しいとか家計が厳しいとか厭ってはならない。

高々と門を構えた大邸宅でも、その屋敷を閉め切り、

ご主人は老年になっても忙しくて全く帰ってくることもできない。


※不曽:強い否定の意味。不曽歸で全く帰ってくることができない。


○大和六年(832)、洛陽の作。

○大邸宅を持ちながらも、仕事が忙しくて帰宅することも出来ない人もあるけれど、白楽天は多少狭くて貧しくても、ゆっくりと家にいることができる、その満足な心境を詠んでいる。

ただ、白楽天自身の屋敷は、敷地だけで三千坪ある。

訳者から見ると、考えられない広さである。

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