第221話詠興五首并序

詠興五首并序


七年四月、予罷河南府、歸履道第。

盧舎自給、衣儲自充。

無欲無営、或歌或舞、頽然たいぜん自適。

蓋河洛間一幸人也。

遇興發詠、遇成五章。

各以首句、命爲題目。


興を歌う五首 ならびに序


大和七年の四月に、私は河南府の職を辞任し、履道里の屋敷に帰った。

この屋敷は、簡素ながら、しっかりと整っているし、衣食には不自由しない。

何も求めることもなく、苦労することもない。

歌うこともあり、舞うこともある。

わが心のおもむくままに、暮らしている。

きっと、この洛陽一番の幸せ者である。

興のおもむくままに詩を詠み、たまたま五首の詩ができあがった。

それぞれの第一句により、詩題とする。



※盧舎:簡素な住まい。

頽然たいぜん:自然にまかせて。

※河洛間:洛陽のこと。


※次回以降、二首を訳します。

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