第209話哭微之二首 其二

哭微之二首 其二


文章卓犖たくらく生無敵 風骨英霊没有神 哭送咸陽北原上 可能随例作灰燼


卓越したその文章力は、生前かなうものはいなかった。

圧倒的なその風格は、亡くなったとしても、神霊として生き続ける。

慟哭の中、咸陽は北の台地にて、野辺送りとなる。

あの彼も、世のならいに従い、灰燼と帰すのだろうか。


卓犖たくらく:格別に優秀な様子。

※風骨:風格、気骨ある精神。

※咸陽北原:元稹を埋葬する墓。

※可能:「可能」は疑問・反語の語法。「~なのだろうか」


○友人の元稹の葬儀にあたり、肉体の消滅は避けられない。

 しかし、その気骨、風格ある精神は、ずっと残って欲しいと思う。

 白楽天が、ここまで書いてくれたので、元稹の名も残っている。

 その意味では、思いは天に通じていたのだと思う。

 

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