第203話池上篇并序(3)
酒酣琴罷 又命楽童登中島亭 合奏
聲随風飄 或凝或散 悠揚於
曲未竟而楽天陶然已酔 睡於石上矣
睡起偶詠 非詩非賦
酒もほどよく飲み、琴も置き、少年たちの楽団を中島亭に登らせ、霓裳の曲の全総部分の演奏をさせる。
その妙なる響きは、風にのって漂い、集まってみたり広がってみたり。
竹林に籠って聞いていると、池の揺れる波に浮かぶ月のまわりに、ゆるゆると長く、流れていく。
この楽天は、その曲が終わる前から、陶然となり、とうとう石の上で、眠りに落ちてしまった。
目覚めにふと、口から出てきた言葉は、詩でもなく賦でもない。
阿亀に筆を取らせて、そのまま石の上に書かせてみると、おおよそ韻を踏んでいるので、「池上扁」と名付けることにする。
※霓裳散序:霓裳は霓裳羽衣の曲。長恨歌にも登場する。散序は前奏部分。
※
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます