第186話和寄楽天(1)

其九 和寄楽天


賢愚類相交 人情之大率 然自古今來 幾人號膠漆

近聞屈指敷 元某與白乙 旁愛及弟兄 中懽比家室

松筠與金石 未石喩緊密 在車如輪轅 在身如肘膝

又如風雲會 天使相召匹 不似勢利交 有名而無實


その九「楽天に寄す」詩に和す


賢い者、愚かな者、そういった仲間同士で交流するのが、大凡の人たちの習慣だと思う。

しかし、その中には、古今を通じて、膠と漆の関係のような堅い絆が、どれほどあったのだろうか。

最近、耳にすることではあるけれど、指を折り数えるべきは、元某と白某という。

互いの全てを愛するのは、まるで兄弟のようであり、喜びを分かち合うのも、まるで家族のようだ。

高い節の松竹や、堅固な金石も、二人の堅い友情を表現するには不足する。

車にたとえるならば車輪と轅、身体にたとえるならば、肘と膝の関係のようだ。

そのうえ、空における風と雲が出会うがごとく、天がこの二人を引き合わせたのだと思う。

お互いの利益のみを求める関係が、その名ばかりで実質がないのとは、まったく異なっているのだ。


※膠漆:膠と漆のような堅い交わり。

※松筠:松と竹、節操の堅さを表現する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る