第184話和微之詩二十三首并序
和微之詩二十三首并序
微之又以近作四十三首寄来 命僕継和。
其間
又題云、奉煩秖此一度,乞不見辞。
意欲定霸取威 置僕於窮地耳。
大凡依次用韻 韻同而意殊 約體為文 文成而理勝。
此足下素所長者 僕何有焉。
今足下果用所長 過蒙見窘。
然敵即気作 急則計生。
四十二章
不知大敵以爲如何。
夫斸石破山 先観
以足下来章 惟求相困。
故老僕報語 不覚大誇。
况
其爲敵也 當今不見。
其爲多也 従古未聞。
所謂天下英雄 唯使君與操耳。
戲及此者 亦欲三千里外 一破愁顔 勿示他人 以取
楽天白。
微之に唱和した詩 二十三首 ならびに序
微之は、またしても最近詠んだ詩を二十三首送ってきて、私に続けて唱和することを命じた。
その中には「
そのうえ、「ご苦労をかけるのは今回限りです、絶対にお断りにならぬよう」などと、わざわざ書き付けて、まるで覇者のように威張って、この私を窮地に追い込もうとする魂胆が透けて見える。
だいたいにおいて、同じ順に韻時を置いて、その上で韻は同じでも意味を違える、文体をキリッと引き締めながら文彩も文意も完璧なものとするなどは、そもそも君の得意分野であって、私にはできやしない。
それなのに今、君は自分の得意分野で、私をとんでもなく困らせてくれた。
ただ、そうは言っても、敵がいるとなれば闘志も起きるし、追い詰められれば手段も思いつく。
四十二章は、旗を一振りして、全て片付けた。
強敵君は、どう感じたのだろうか。
強固な岩を切り出して山を崩すには、まず第一に刃の跡を見て対策をつくる。
矢を放ち、正確に的に当てるには、絃の音もしっかりと聞く。
私が推察するのは、君が送ってきた詩は、ただ単に私を困らせるためだろう。
そんなことなので、老生の返事も、我知らず自慢してしまったではないか。
そのうえ、かつて応酬した詩作、最近唱和した詩作、それが積み重なってすでに十六巻、全部数えれば千を余る首となった。
これほどのものに肩を並べるものは、現在は全く見当たらない。
そもそも数の多さからして、昔からも聞いたことがない。
いわゆる「天下の英雄は、ただ使君と曹操」というものだ。
こんな冗談を言ったのは、三千里のかなたで、大笑いをしてこの世の憂さを忘れて欲しかったからだ。
さて、はたから笑われないように、他人には見せないで欲しい。
楽天記す。
○長年来の旧友元稹と詩のやり取りの際の手紙の序の部分になる。
さすがに遠慮のない書き方で、白楽天の素直かつ詩作に対する自信があふれている。
○残念ながら元稹の詩は残っていないけれど、応答した白楽天の詩は超絶的な技巧を使っている。(次回以降、一部を訳します)
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