第168話題故元少尹集後二首

題故元少尹げんしょういん集後二首

其一


黄壤こうじょう詎知我 白頭徒憶君 唯將老年涙 一灑故人文


もとの小尹、元氏の文集の後ろに題する二首。

その一


黄泉の国にいってしまった君は、私のことなど気にかけないだろうが、

私は白髪の身になって、むなしく君を思い出すのだ。

ただの老いの涙かもしれないけれど、友の懐かしい文集の上に、ひとしきり涙を注いでいる。


故元少尹げんしょういん:元宗簡。白楽天が初めて官位を得た頃からの友人。長安の小尹(属官)であった。長慶二年(822)に没している。

黄壤こうじょう:黄泉の国。

※故人:親しい人、友人。


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