第156話潮


早潮纔落晩潮来 一月周流六十迴 不濁光陰朝復暮 杭州老居被潮催


潮を見ながら


朝の潮が引いたと思えば、すぐに晩の潮が満ちてくる。

一月の間でも、満ちて引いて六十回。

朝と夕の違いは、光と陰だけではない。

この杭州で老いゆく我が身も、また潮に急き立てられている。



○長慶四年(824)、杭州の作。

○潮の満ち干きに、我が身の満ち干きを重ね合わせている。

○わかりやすく、心にしみるような詩と思う。



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