第152話酔封詩筒寄微之

酔封詩筒寄微之


一生休戚與窮通 處處相随事事同 未死又隣滄海郡 無児倶作白頭翁

展眉只仰三杯後 代面唯憑五字中 爲向両州郵吏道 莫辞来去逓詩筒


酔って詩筒に封をして、微之に送る。


今までの人生で喜びも悲しみも、困窮と栄達も、どこにおいても君とは一緒、同じだった。

互いに命を落とすこともなく、今は海に面した町で、隣同士となった。

また、同じように跡継ぎの子がなく、白髪の翁だ。

難しいことは考えるのをやめて、酒を三杯飲み干した。

なかなか直接会うことが出来ないので、その代わりに、五言の詩を贈ろう。

両州の駅舎の役人に頼みたい。

我らがやり取りする詩筒の転送を拒まないで欲しいのだ。


※休戚:喜びと悲しみ。

※窮通:困窮と栄達。

※滄海郡:海辺の州のこと。杭州と越州を示す。

※展眉:しかめていた眉を開く。

※郵吏:「郵」は街道の駅舎。「吏」は役人。

※逓詩筒:詩を入れた筒を駅から駅に転送する。


○長慶三年(823)、杭州の作。

○駅は、郵便業務も行っていたようだ。

○元稹と遠くはなれていた時期と異なり、詩全体に暗さがない。

 やはり親友の効果だろうか。

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