第125話初入峡有感(1)

初入峡有感


上有萬仞山 下有千丈水 蒼蒼两崖閒 闊狭容一葦

瞿唐呀直瀉 灎澦屹中峙 未夜黑岩昏 無風白浪起

大石如刀剑 小石如牙歯 一步不可行 况千三百里

[自峡州至忠州 灘険相継 凡一千三百里]


峡に入った時の印象


万初の山が上にそびえ、千丈の川が下に流れている。

両側の断崖の間は青黒く、葦舟が一艘入っていけるだけだ。

瞿塘峡はその口を開き、一気にその水を吐き出している。

その中で灎澦堆は、何ものにも動ぜず、そびえ立っている。

岩は夜でもないのに黒く、周囲全体が薄暗い。

刀剣のような大岩がそそり立ち、小さな石も鋭い歯のように切り立っている。

これでは一歩でさえ、進めそうにない。

こんな旅が千三百里も続く。

(峡州から忠州までは険阻な難所が続く、その距離は千三百里)


○江州とは全く異なる風景と困難な旅路。

 罪を軽減されたとはいえ、白楽天の苦労は、続いている。

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